活字嫌いの俺がなぜ小説を書いてきたかについて書く

俺は10年くらい前、高専生の頃から小説をいくつか書いてきた。今日は何故俺が小説を書いてきたのかについて書こうと思う。この話は長くなりそうなので、とりあえず今日は、俺と文章の関わりについて書く。

俺は本を読まずに育った。幼稚園で絵本くらいは読んだかもしれないが、小、中学生の頃はまったくと言っていいほど本を読まなかった。
本を読むのは面倒だし、面白いとも思えなかった。

特に読書感想文が嫌いだった。無理矢理課題図書を読んでも「まあまあ面白い」「たいして面白くない」といった程度の感想しか持てなかった。(今思えばこれはマシな本を紹介できない大人のせいだよね?)
だから俺は一度書いた読書感想文をコピー機で複製して保存し、中学3年間は毎年同じものを提出した。そのくらい、作文は嫌いだった。

転機は高専だった。中学から高専に進学した俺は寮に入った。
寮には圧倒的に娯楽が無かった。テレビは食堂に置いてあるものだけだし、寮にはパソコンの持ち込みが禁止されていた(情報科なのに…)。娯楽と言えば漫画とか小説くらいだった。本を沢山持っている奴の部屋はたまり場になった。

俺の親友はいつも小説を読んでいた。若いくせに活字を読むのは真面目ぶってる奴だけだと思っていた俺は、そいつを茶化して言った。「なに真面目ぶって小説なんかよんでんの?」
友人は言った。「え? 普通じゃね?」

衝撃だった。べつに真面目じゃなくても小説を読むんだ…カルチャーショックだった。

そして寮で暇をもてあましまくっていた俺は小説を読むしかなかった。
今思うと、最初に読む小説って大事で、最初に何を読むかによってその後の生き方が決まるんじゃないか?

俺が読んだのはどういうわけか桜井亜美だった。これがいけなかった。
桜井亜美は、今で言う「ケータイ小説」の走りとなる、十代のセックスやドラッグ、援助交際などをテーマにした女子高生向けティーンズ小説ばかり書いていた作家だ。
桜井亜美の小説を読んだ俺は思った。

この程度なら俺も書けるかもしれない…!

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